派遣切りの次に来るもの
それは、正社員の首切りだ。
今まで、それをしなかったのは、ただ単に、世間体が悪いからに過ぎない。
今回に限らず、企業のほとんどは、社員達を、人材とは認めていない。
10人首を切っても、また、10人雇えば、それでチャラという感覚だ。
しかし、その採用者達は、新卒にしろ、中途にしろ、首を切った人たちとイコールにはならない。
新規採用者も何年か経てば、一人前になるだろうが、首を切った人たちが培っていた企業風土は、元には戻らない。
森林を伐採して、新たに植林しても、もとの森林には戻らないのと、どこか似ている。
マイナス10プラス10で、プラスαがあるのは、その時の企業体質が好ましくない場合に限られることだろう。
しかし、それとても、配置転換や再教育などで、同じプラスαが得られるかも知れない。
既に始まっていると思うが、正社員に対しては、かつてのリストラの嵐の時のように、陰湿ないじめが多発することだろう。
ことあるごとに退職を迫り、退職しない社員を、露骨にいじめる。
そうして、「希望退職」に追い込むのだ。
こうした環境では、正社員達は、後ろ向きになる。
冒険をせず、無難に過ごそうとする。
経費節約、コストカット面では、ある程度の効果があるかも知れないが、画期的な新製品・新企画などは、到底、生まれそうもない。
今一番必要なのは、こうした企業再生への一致団結した力なのに、皆が首をすくめ、嵐の過ぎ去るのを待つしかない状態では、何も生まれないことだろう。
リストラの嵐が過ぎ去り、景気が上向いて、企業の収益が改善されたのは、中国・アメリカなどの特需によるところが大きい。
けっして、日本版リストラによって、企業が再生した訳ではないのだ。
「社長にとって、会社は子供のようなもの」
「従業員ン万人の生活を背負っている」
などという経営者は、絶滅したに違いない。
今の経営者の念頭にあるのは、決算後の経常だけなのか?
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