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October 22, 2016

加算方式の電卓

前回、iOSの電卓アプリについて書いたが、世の中にはもう一つ、「加算方式」の電卓が存在する。いまだに経理などで重宝されているだろうが、いきなり、そんな電卓を使わされて困惑する人がいるだろうから、ついでに書いておく。

加算方式とは、+-のキーがなく、「+=」「-=」という、一風変わったキーがある電卓のことである。
これは、ふるーーい形式なのだが、経理の人間には、手放すことができないほど魅力的な方式なので、未だに時代を超えてしぶとく生き残っている。

そこで、前回と同じ問題を出す。

2+3×4=?

もちろん、数式としての正解は、14である。

これを、加算方式の電卓でそのまま操作すると、12と表示される。これは、前回の計算「2+=」がすでに終了しているため、入力した3に×4+=が実行されて、12となるのである。

なぜ、こんな古い形式の電卓が生き残っているのか。
それは、経理では、とても便利だから、である。

例えば、長い表に何らかの数値があって、その合計を出す場合、大抵は、定規などで、これから入力する行を表示させていることだろう。しかし、経理の現場では、しばしば、マイナスの数値が存在する。それは、赤字だったり、減分だったり、値引きだったりする。

その場合、普通の電卓だと、上の行の数値を入力後、すでに+を入れてしまっている。最近の電卓なら、素直にマイナスを押せば、「次は減分」と入れなおせるが、古い電卓だと、その挙動は、その電卓次第となる。

その点、加算方式なら、指定は数値入力後なので、安心して「-=」を押せる。この安心感は、大量の数値を表から入れたものでないとわからない感覚だろう。

まあ、今時Excelでしょ?

と言われれば、そうかもしれない。だが、すべての伝票まで電算化されていますか? せこい伝票は、電卓だったりしませんか?
あるいは、先輩経理マンのノスタルジーで、「こいつに限る!」と加算方式を押し付けられる可能性はゼロですか?
あとは、出先で借りた電卓が加算方式だったら。

まあ、年々、レガシー遺産となりつつあるが、一応、対策を書いておく。

それは、まず思い込みがカギである。

なぜなら、ほとんどの人は、大抵、「加算方式」を使っているからだ。それはメモリーである。メモリーは、「M+」などとなっている。これは、加算方式そのものである。

だから、

「これは、メモリーがデフォのメモリー電卓である。デフォのメモリーは、「MR」キーを押さなくても、デフォで表示されている。セカンドメモリーを操作した時だけ「MR」キーで表示させる」

くらいに考えておけばいい。

ちなみに、前掲の数式の答えを知りたければ、「GT」ボタンを押せば、14と正しく表示される。この手の電卓には、大抵装備されているはずだ。このキーは、「グランド・トータル」を求めるもので、過去の計算の答えの合計が表示される。計算前に「CA」キーを押して、GTをクリアしておくのは、経理マンの常識である。

デフォのメモリーの表示はGT。
セカンドメモリーの表示はMR。

と考えれば、加算方式も恐れるに足らず、だ。

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